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2017年4月29日 (土)

汚れたミルク あるセールスマンの告発を見てきました。

ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。


『汚れたミルク あるセールスマンの告発』を見てきました。個人的ランクA。公式ホームページはこちら


内部告発の映画です。実に素晴らしい!!主人公の、乳児を守るために世界最大企業を敵に回した内部告発。どんな脅しを受けても、彼は決してそれに屈しませんでした。そして、その彼を支えた偉大な父親と妻。


父親が本当にこれまた素晴らしいんです。弁護士ではないのですが、弱者を守るためにいろいろ国に対して抗議しています。だから、息子の弱者を巨大グローバル企業から守るために立ち上がったことを、全面的にサポートします。妻はちょっと経済的安定を好むところが見え隠れしますが、それでも、家族がバラバラになるかもしれないけど、信念に基づいて動けない夫を尊敬できないといって励まします。素晴らしい女性です!


この映画を見て、あなたはどう思うでしょうか?この映画に出てくる巨大グローバル企業は『ネスレ』です。映画冒頭で実名が出ますが、その後仮名に変えられます。はい、様々な食品を提供しているネスレです。しかし、そのネスレの企業体質は、やっぱりアメリカ企業だなぁ、と。弱者がどれだけ苦しもうが、死のうが、そんなことは全く気にせず、とにかく自分たちだけが儲かればそれでいい、と言う、他の巨大グローバル企業と全く同じ、腐りきった金の亡者です。以前見たドキュメンタリー映画では、あのDole社が、危険な農薬をバナナ農場に散布し続けた結果、農場の労働者が不妊になってしまったのです。ネスレもDoleも同じ穴の狢。金のためなら他者がどれほど苦しんでも全く気にしない。この映画でもそれが如実に描かれています。


あなたが巨大グローバル企業に搾取され、健康被害を受けていてもなんら反抗しませんか?唯々諾々と従うのなら、それでいいです。それも選択です。ただし、健康被害と、自分の大切な子供が死んでいくのを見ても、それでも巨大グローバル企業を選択しますか?と問いたいです。


パキスタンにも自国の製薬会社があります。ですが、パキスタン国民の多くが、海外の製薬会社の薬品を好むという情けなさ。より高額であれば、自国の製薬より海外の製薬の方がよく効くだろうという、患者側の勝手な思い込み。この映画では粉ミルクです。本当によいものならその値段に見合っているはずです。そして安全なはずです。そうでしょ?


冒頭に、アメリカの議会に呼ばれたネスレの社員が発言しています。冒頭から腹が立ちますよ。弱者に『死』を与える製品を売りさばいておきながら、その責任は自分たちには『ない』と言い切るのですから!ネスレの言い分は、買う買わないは消費者の勝手。買ってその結果死んだとしても、選んだのは消費者であって、ネスレ側に何の落ち度もない、と言う理論でしょう。ところが大間違い!ネスレは、『清潔な水で』粉ミルクを溶けと言ってますが、その清潔な水をパキスタンで得られる人はあまり居ないという事実。ネスレは、そういう清潔な水を得られない、得にくい地域で粉ミルクを売ってはいけないのですし、不衛生な水で粉ミルクを溶き、それを乳児に与えると死にます、と啓発活動をしなくてはいけないはずです。ですが、ネスレは一切そういうことをしません。それどころか、他社の粉ミルクを店の棚から一掃すべく、医師に賄賂を渡し、店にも優遇するなどしてネスレ製品一択しかないようにしています。これでは選択することなんてできません。とにかく金儲けにだけ邁進するのが、巨大グローバル企業です。自分たちが儲かるためなら、いかなる悪逆な行為をしても全くかまわないのですよ。倫理に劣る企業です。


なぜ、ネスレの粉ミルクが原因だとわかったのか?公衆衛生学です。この学問のおかげで、そしてそれを学んだ医師のおかげでネスレの悪行がわかったのです。公衆衛生学、とても大切な学問です。ですが、日本ではこの学問に対しての理解度が低いように思えます。この映画では、母乳で育った子供は一人も死なず、ネスレの粉ミルクを飲まされた子供ばかり死んでいるのです。母乳信仰ではないのですが、やはり人間も動物、自然な形で子供を育てるのが当たり前といえる社会になってほしいです。


Doleもそうでしたが、このネスレも金にものを言わせて様々な圧力をかけてきます。ドイツでネスレの悪行を告発しようとしたTV局、ここにも圧力をかけて結局放送させません。TV局はCM料で成り立っているので、ネスレからのCM料が入らないのは困るわけですわ。金のために真実と事実を覆い隠し、多くの乳児が死んでいることを隠す。これが今の世界経済であり、社会と言うことです。正直、こんな腐りきった社会、今すぐ滅びてしまえ!と心底思いますよ!!他者の命をぞんざいに扱い、死んで持って行けない、単なる虚像にしか過ぎない金のために他者をもてあそび続ける社会。これがまともと言えますか?


内部告発した主人公、確か7年近く妻や子供たちと会えませんでした。ネスレを告発したはいいけど、ネスレの持つ権力にパキスタン政府が、そしてマスコミも負けたため、彼は国に帰れなくなってしまいました。帰れば国民から総攻撃を受けるからです。彼は、いったい誰を守ろうとして立ち上がったのか?パキスタン国民を守ろうとして立ち上がったのに、国民は事実を知らされていないため、そしてネスレの金と権力に負けた政府によって、彼は悪者にされているのです。こんな間違ったことがまかり通っているのですよ。この日本も全く同じです!!真実を述べているのに、権力によってそれを抑えつけられ、逆に逮捕拘留される。(沖縄がいい例です。Yahooニュースを見ていると、相変わらずアホで無能なネトウヨどもが、沖縄で抗議活動をしている人たちをけなしてますわ。)国によって社会的抹殺されます。こんな国がまともと言えますか?北朝鮮と今の日本は、根っこは一緒です。その考え方とやっていること、独裁政権そのものです。このことをどれだけの日本人が理解しているのか?自分の頭で考えてください。何も考えず、マスコミの流す偏った情報だけを、なんら疑いもせずに受け入れているのが間違っているのです。本当に、第二次世界大戦中の日本社会と今の日本社会、全く同じとしか思えません。


パキスタンでのこの悲劇、実は今でも続いていることをこの映画のエンドロールでわかります。最初に映像資料として集め出したのが1989年頃。2013年の時点でもなんらパキスタンでは変化がないのです。20年近く、今でもネスレによってパキスタンはある意味搾取され、そして乳児が死に続けているのです!あなたはこのことを、他の国で起こっていることであって、日本で起こっていないし、自分には関係ないからといって無視できますか?この映画の中で見せつけられる、がりがりにやせて死んでいく赤ちゃんの、あの視線をあなたは真正面から受け止められますか?!私は今でも、あの赤ちゃんたちの視線を思い出すだけで泣けてきます。


この映画、たった一人で巨大グローバル企業に立ち向かった、本当に人の命を大切に思っている、心優しい男の実話です。ぜひ、一人でも多くご覧になってください。そして『自分の頭で』考えてほしいです。

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